季節の移り変わりによって気温や湿度・天気などが変わり、生活のパターンが変化します。例えば私たち人間は季節によって服装が異なります。半袖や長袖、コートにマフラー、ブーツ等気温などによって変化をさせその状況の変化に対応しています。
食べ物も季節によって旬の物を食べることが出来ますし、夏はそうめんやかき氷、冬には鍋料理と各季節に合った食べたいものを食べることが出来ます。
このようにして季節や体調に応じて食べ物や生活スタイルを選ぶことが出来ます。
しかし、犬や猫は肉食の動物ですので各季節に合った食事をすることが出来ません。
食事は私たち人間が選び与えることで栄養補給でき、体の基礎を作り上げることが出来るのです。コンパニオンアニマルにとって健康な生活が送れるように私たちが気を付けなければいけないのではないでしょうか?そこで1年の中でも一番気を付けなければいけない季節が夏です。人間も夏バテをしますが、犬や猫も夏バテをするのです。
夏前から夏にかけて夏バテに気を付けて対策をしていただきたいということです。
夏バテには2つの要因があります。まず1つはクーラー等の空調室内と蒸し暑い外温との温度差が体の自律神経を乱れさせます。自律神経が乱れることで、体温調節が出来なくなり、倦怠感・思考能力の低下・食欲不振、それだけでなく下痢や便秘も引き起こされます。酷くなれば目眩や頭痛・発熱・吐き気などを伴うこともあります。
自律神経とは意志に関係なく機能する器官の働きを調節する神経で、循環・呼吸・消化・血管・内分泌腺・生殖器・発汗や体温調節などの不随意器官の機能を促進や抑制し調節します。
交感神経・副交感神経に分かれていて両者が拮抗的に働いています。アドレナリン、ノルアドレナリンとアセチルコリンというホルモンによって命令が下されています。自律神経は先ほども説明しました通り自分の意思に関係なく体が反射的に働く神経です。例えば目に光に当たれば自然に瞳孔が縮瞳しますよね?
寒むさを感じる時には毛穴が収縮して鳥肌がたちますし、暑い時には毛穴を開いて発汗させ体温を下げます。こういった反応は自律神経によって引き起こされています。また、本来これらのような反応が引き起こされる時に反応せず、神経のバランスが崩れた状態のことを自律神経失調症といいます。
夏の暑さによって体温調節出来なくなったり、食欲が落ちたりといった様々な症状が出てくることが夏バテです。夏バテを改善するためには、まず室内外の気温差を少なくしてあげること。そして自律神経を混乱させないようにすることが一番のポイントです。自律神経を司るホルモンはタンパク質から合成されています。どんなに暑く食欲がなくとも肉や魚などのタンパク質をしっかり食べてホルモンの合成を促してあげることが重要です。
2つ目としてやはり食生活は一番の基本ですね。先述しました通り、人間は夏になると暑いからといってそうめんやさるそばなどを食べるようになりませんか?そうめんやざるそばなどは冷たくてツルツルっと喉越しもよく、食欲のない時でも食べる気にさせてくれるので皆さん好んで食べているのではないでしょうか?
しかしこれら麺類は炭水化物なので、このような食事を多く食べているとタンパク質の摂取量が非常に少ないということになります。タンパク質が極端に少なく偏った食生活をしているとまず体力が出ません。
夏バテして体力が落ちてくるとたまに精を付けようと肉を食べたりしましますよね。タンパク質はエネルギー源、体力となります。そのエネルギーが不足すると体力が出ないので、体がフラフラになってくるのです。
タンパク質は胃・腸でアミノ酸まで分解され、小腸から吸収されたのち、肝臓や他の部位でいろいろな組織に作り変えられて、体そのものが作られていきます。このような食生活が残暑まで続き長期間タンパク質の摂取が低下すると、組織の合成体の修復が追い付かなくなり体はダメージを負ってしまいます。
そうすることで秋口になって現れるボロボロになってしまった体が夏バテです。これは犬や猫にも同じとことがいえます。犬や猫は肉食なのに炭水化物中心の生活をしていると夏バテを起こし体力がなくなってしまいます。どんなに暑くてもどんなに食欲が無くてもタンパク質を少量でもとり続けることで夏バテを回避することができます。
そして犬や猫が私たち人間と違うところは、全身が毛で被われているということです。ですから人間以上に体温調節はうまくいきません。体温調節が難しいと食欲が落ち、少しの運動量でもエネルギーを消費してしまいます。
脂質やタンパク質の消費量が人よりも多い犬や猫は、夏バテの心配をした方がいいのではないでしょうか?
良質なタンパク質をしっかり摂って、夏バテ対策をすることで免疫力も高まりますので、冬への体作りが出来るのではないでしょうか。